
不登校生におすすめの総合型選抜(旧AO入試)対応大学と選び方のポイント【2025年版】
進路に迷う不登校生・通信制高校生へ──「学力だけじゃない」入試がある
「進路の話になると、何だか心が重くなる」
「大学に行きたい気持ちはあるけど、今の自分では無理かもしれない」
そう感じている不登校の生徒、通信制高校の生徒や、その保護者の方は少なくありません。特に中学校で不登校を経験し、高校でも登校に不安を抱えている場合、「進学なんて、現実的じゃない」と思ってしまうこともあるでしょう。
でも、そんな気持ちの奥には、「本当は、やってみたい」「進みたい気持ちはある」という思いが、きっとあるはずです。
◆ 一般入試“だけ”がすべてじゃない
大学進学=高校での評定が高くて、模試の偏差値が良くて、共通テストに受かって……
そんなイメージが強いかもしれません。でも、それはあくまで「一般選抜」という受験スタイルの話。
実は、大学受験には他にも「総合型選抜(旧AO入試)」というルートがあります。
これは、学力テストの点数だけで合否が決まらない入試。
「どんな人か」「どんな経験をしてきたか」「何を学びたいか」など、人物そのものを評価する仕組みです。
◆ 総合型選抜は、“自分のペースで歩んできた人”にこそ開かれた扉
出席日数が少ない、学校行事に参加していない、模試を受けたことがない——
そんな不安があっても大丈夫。
なぜなら、**“今のあなたが、何を考え、どんなことに力を注いできたか”**が重視されるからです。
たとえば、
- 得意な分野を自学で伸ばしてきた
- 家庭の事情で自宅学習を工夫してきた
- 中学時代より前向きになれたことがある
こうした小さな経験も、大学にとっては「その人を知る材料」になります。
◆ 「普通じゃない道」だったからこそ、伝えられることがある
通信制高校に進んだ理由は、人によって本当にさまざまです。
体調、環境、人間関係……。でもどんな背景であっても、「その中でどう生きてきたか」は、自分にしか語れない大切なストーリーです。
総合型選抜は、そのストーリーを「マイナス」としてではなく、むしろ「どう受け止め、行動してきたか」を見ようとしてくれる入試です。
だからこそ、不登校の経験があっても、通信制高校に在籍していても、「大学に行きたい」という気持ちがあるなら、その気持ちを活かせる道があります。
総合型選抜とは?──不登校生・通信制高校生が活かせる“別の力”
大学受験=学力テスト、そんなイメージを持つ人は少なくありません。でも実は、もう一つの選択肢、「総合型選抜(旧AO入試)」を利用して進学する生徒が、年々増えてきています。
この入試方式は、通信制高校生や不登校経験者にとって、「今の自分」を正当に評価してもらえるチャンスにもなり得ます。
ここでは、一般入試との違いや、通信制高校生がどのような点で強みを発揮しやすいのかをわかりやすく整理します。
◆ 一般入試とここが違う!総合型選抜の特徴
まずは、総合型選抜と一般入試の違いを簡単に比較してみましょう。
項目 | 一般入試 | 総合型選抜(旧AO入試) |
---|---|---|
評価される力 | 学力試験(マーク・記述)中心 | 意欲、活動実績、将来像、思考力など多面的な要素 |
評定・出席の基準 | 高めに設定されていることが多い | 条件を設けない大学や、柔軟な対応をする大学が多い |
主な選考方法 | 共通テスト+大学ごとの筆記試験 | 書類審査(志望理由書・活動報告書など)+面接・小論文等 |
通信制高校生の不利要素 | 調査書の評定が低いと不利になりやすい | 不登校・転校経験なども「背景」として丁寧に扱われる |
出願時期・選考時期 | 一般に1~2月(後半戦) | 早い大学で9月〜11月頃に出願・選考(前半戦) |
このように、総合型選抜は「学力試験一発勝負」ではなく、過程や人柄を評価する柔軟な入試制度だと分かります。
◆ 不登校生・通信制高校生が活かしやすい“別の力”
通信制高校で学ぶという選択をしているあなたには、特有の経験があります。それは一般的な学校生活とは違う環境で身についた、次のような力です:
✔ 自分でスケジュールを組み立てる力
決まった時間割に縛られない通信制高校では、自律的に学ぶ力が自然と身についています。
✔ 自分に合った学びを探して行動した経験
通学に困難があった中でも、学びを止めずに継続している事実は、それ自体が「問題解決力」や「適応力」を示すものです。
✔ 不登校や挫折を乗り越えた柔軟性
過去にうまくいかない時期があっても、そこからの回復や選択の背景を説明できれば、説得力ある自己PRになります。
◆ 評定や在籍形態に縛られにくい制度設計
総合型選抜の大きな利点は、「定期テストの点数」「皆勤出席」などの形式的な条件が、合否に直結しにくいという点です。
- 成績が平均より低くても、面接や小論文で思考力や意欲を示せる
- 不登校経験を「立ち直りのプロセス」として伝えることができる
- 高卒認定や中退・転入といった多様な背景がハンデにならない
通信制高校や、不登校経験者向けのアドミッション・ポリシーを設けている大学も増えており、「事情を理解してくれる」入試方式として安心感があります。
◆ あなたの経験そのものが、選ばれる理由になる
志望理由書や自己PRでは、点数ではなく「考え方」や「行動の背景」を伝えます。
その中で、通信制高校で培った時間の使い方や、環境への適応、目標に向かって努力してきた姿勢が評価されるのです。
- 「どうして今の学校を選んだのか」
- 「今どんな学び方をしていて、どこに向かっているのか」
- 「どんなことに関心があって、将来どうなりたいのか」
これらを言葉にして伝えることで、**他の誰とも違う“あなたの価値”**を見せることができます。
◆ 自分に合ったルートで、確実に進学を目指す
総合型選抜は、「学力に自信がないから仕方なく選ぶ道」ではありません。
むしろ、「自分に合った方法で、自分らしさを見せられるチャンス」なのです。
不登校や通信制高校という道を選んだからこそ得られた強みを、受験という舞台で活かしていける——
それが総合型選抜の最大の魅力です。
準備のカギは“自己分析”と“伝える力”——志望理由書・面接・小論文まで
総合型選抜(旧AO入試)の選考では、**筆記テストだけでは測れない“人柄・意欲・可能性”**が重視されます。
そのため、選考で問われるのは主に以下の3つです:
- 志望理由書(自己PR含む)
- 面接
- 小論文や作文
- +場合によっては活動実績や課外経験
それぞれが単独で評価されるのではなく、「一貫性のあるストーリー」としてつながっているかどうかがポイントです
◆ スタートは「自己分析」から:志望理由書にも面接にもつながる
まず必要なのは、自分自身を知ること=自己分析です。
これは「自分の過去・現在・未来を整理すること」と言い換えることもできます。
不登校や通信制高校での経験も、立派な「材料」です。
たとえば:
- 「なぜ勉強に前向きになれなかったのか」
- 「通信制でのどんな学びが自分に合ったのか」
- 「今、何を目指しているのか」
こうした内面の整理ができてはじめて、志望理由書や面接で「伝えたいこと」が明確になります。
📝 実践方法の例:
- A4用紙1枚に「自分年表」を書く
- 「なぜその大学?」「なぜその学部?」を5回“なぜ”で掘り下げる
- 今まで嬉しかったこと、悔しかったことを思い出して書く
◆ 志望理由書は“自分の言葉”で、でもプロの添削を必ず!
志望理由書は、あなたの想いや目標を伝える大切な書類です。
形式的なテンプレートやきれいな表現よりも、「自分の言葉」で書くことが大事です。
しかし一方で、「読み手にどう伝わるか」は、自分では判断しづらいもの。
だからこそ、プロの添削を受けることは欠かせません。
🖋 添削のメリット:
- 自分では気づけない表現のあいまいさが明確になる
- 伝わりにくい構成を整えてくれる
- 大学側の評価基準を知っている人がアドバイスをくれる
📚 添削してくれる人の例:
- 総合型選抜対応の塾や予備校の講師
- 学校の進路指導の先生
- AO専門の個別指導サービス など
添削は「修正される」ことではなく、あなたの考えが“伝わる形”になるようサポートするものです。
不安や恥ずかしさは不要です。
◆ 活動実績がなくても大丈夫。その代わり“深掘り”が必要
「活動実績が少ない」「何もやっていない」と感じている方も多いかもしれません。
でも、大切なのは“何をしたか”より“どう考えたか”です。
たとえば:
- 通信制高校で提出したレポートの中で興味を持ったテーマ
- 家で取り組んできた趣味や学習
- 家庭の事情で学校以外にやっていた役割や経験
こうしたことも、自分で「考えて」「続けた」経験であれば、立派な実績として扱えます。
逆に、「ボランティアをやった」だけで終わってしまうと弱く、
「なぜその活動をしたのか」「どう感じたのか」まで言語化できれば、それは面接や志望理由書で強い武器になります。
◆ 面接と小論文は「志望理由の深掘り」として考える
総合型選抜の面接や小論文は、「あなたが書いた志望理由を、別の角度から確認する」ための場です。
つまり、自己分析と志望理由書がしっかりしていれば、自然と対応できる内容になっていきます。
▶ 面接では…
- 志望理由を一貫して話せるか
- 自分の考えを相手にわかりやすく伝えられるか
- 突然の質問にも自分の言葉で答えられるか
🎤 対策方法:
- 友達や家族、先生と模擬面接をする
- よく聞かれる質問(なぜこの学部?将来は?)の答えを箇条書きにして練習
▶ 小論文・作文では…
- 与えられたテーマに対して、自分の考えを論理的に展開できるか
- 知識よりも「考え方」や「視点」の独自性が見られる
🖊 対策方法:
- 月に2~3本は書く練習をする
- 添削サービスを利用して「構成」「説得力」のチェックを受ける
◆ すべては「一貫性」がカギ!
志望理由書、活動実績、面接、小論文。
それぞれの対策がバラバラだと、受験で「伝わらない」印象になってしまいます。
✅ 目指す大学・学部に対して
✅ あなたが何に関心を持ち、
✅ どんな学び・将来に結びつけたいのか
を一つの“軸”として通すことが、合格のためには最も大切です。
不登校・通信制高校生におすすめの総合型選抜対応大学5選
本章では、以下の条件を満たす大学を選定しています:
- 総合型選抜(旧AO入試)に力を入れている
- 学力だけでなく、人物面や意欲を評価する入試制度
- 不登校や通信制高校出身者の受け入れ実績あり
- さまざまな偏差値帯から選定
① 明治大学 情報コミュニケーション学部(偏差値:60〜62)
特徴:MARCHの一角でありながら、総合型選抜を通じて多様なバックグラウンドの学生を積極的に受け入れている学部です。
- 書類審査+プレゼンテーション+面接の組み合わせ
- 評定平均の制限は緩め。人物評価重視の選抜
- 不登校経験を自己分析・志望理由に昇華できれば高評価に
📌 志望理由書や活動報告書がカギ。添削サポート必須です。
② 法政大学 現代福祉学部(偏差値:52〜55)
特徴:総合型選抜「自己推薦入試」で広く門戸を開放しており、高校での活動実績よりも、その人の課題意識や将来ビジョンを重視します。
- 出願に共通テスト不要(評定平均3.3以上が目安)
- 面接重視+レポートでの自己表現が可能
- 通信制・既卒からの進学実績もあり、面接時に丁寧な配慮あり
📌 レポート課題を「伝える力」で仕上げる工夫が必要です。
③ 星槎大学 共生科学部(偏差値:45〜47)
特徴:通信制大学で、社会的な多様性や特別支援教育に力を入れる大学。不登校や発達特性を持つ学生への理解が非常に深いです。
- 書類審査+面談(評価基準が「共生力」「成長意欲」など)
- 通信制高校・既卒からの合格例が非常に多い
- 学び方も柔軟で、個別指導的サポートが充実
📌 面接では「これまでの自分」と「これからの目標」を丁寧に語ることが大切。
④ 尚美学園大学 総合政策学部(偏差値:47〜50)
特徴:総合型選抜での入学者が多く、自己PR型・課題提出型など多様な選考パターンを用意しています。
- 評定平均不問。資格取得やボランティア経験なども評価
- 面接では個人の想いを丁寧に聞いてくれる傾向あり
- 総合政策分野は自由度が高く、文系・理系問わず挑戦可能
📌 活動実績が少ない人でも「体験→学び→将来」をつなげるストーリーを意識。
⑤ 北海学園大学 人文学部(偏差値:50〜53)
特徴:北海道内で総合型選抜を積極的に実施しており、道外の通信制高校生の進学も歓迎しています。
- 書類選考+面接。受験時の体調や事情に配慮あり
- 入学後の学習支援やカウンセリング体制も整備
- 落ち着いた学生が多く、自己表現が苦手な人にも合いやすい
📌 志望理由を「地域で活躍したい」「人と関わることが好き」などの軸で語ると効果的。
自分に合った大学・入試方式を選ぶためのポイント
総合型選抜は「自分らしさ」をアピールできるチャンスがある一方で、大学や入試方式との相性が非常に重要な制度です。
この章では、不登校や通信制高校などのバックグラウンドをもつ受験生が、自分に合った大学や入試方式を選ぶための視点を具体的に紹介します。
1. 自分の「強み」や「経験」が活かせる大学を選ぶ
総合型選抜では、学力テストよりも、これまでの経験や考え方、将来のビジョンが重視されます。
そのため、以下のような質問に答えられる大学・学部を選ぶことが大切です。
- 「なぜその分野を学びたいのか」を具体的に語れる?
- 「これまでの経験と結びつけられるテーマ」があるか?
- 「大学で取り組みたいこと」がイメージできるか?
例:
- 不登校の経験を通して教育に興味を持った → 教育学部や心理学部
- 好きなゲームからIT・情報に関心を持った → 情報学部や工学部
2. アドミッション・ポリシーを読み解く
大学が公表している「アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)」には、その大学がどんな学生を求めているかが明記されています。
総合型選抜では、このポリシーとの“一致”がとても重要です。
読み取るポイント:
- 「主体性」「探究心」「コミュニケーション力」など、どの力を重視しているか
- 課外活動や興味関心をどう評価するか
- 面接・提出書類で何を見ているのか
このポリシーと、自分の経験や特性が「かみ合っている」と感じられる大学を優先的に選ぶと良いでしょう。
3. 受験スケジュールと準備期間を確認する
総合型選抜は、大学によって出願時期・必要書類・選考内容が大きく異なります。
出願締切が9月〜10月の大学も多く、準備期間が短くなりやすいのが特徴です。
選ぶときに確認したいこと:
- 出願までに必要な準備(志望理由書、活動報告、検定資格など)
- どのタイミングで面接やプレゼンがあるか
- 複数校を併願するならスケジュールが重ならないか
ワンポイント:
高2の冬〜高3春までに候補校を3〜5校に絞っておくのが理想です。
4. 入試方式の「選考内容」と「配点のバランス」を確認
総合型選抜とひと口にいっても、実は内容は大学によってまったく異なります。
たとえば:
- 書類+面接のみのケース(例:活動実績重視型)
- 書類+プレゼン+学科試験というケースも
- 一部「基礎学力検査(簡易テスト)」を課す大学も
自分に合った入試方式を見つけるには、「学力よりも表現力に自信がある」「文章は苦手だけど話すのは得意」など、自分の得意分野を活かせる入試内容を選ぶことがカギです。
5. 相談できる人・専門家がサポートしてくれる環境かどうか
どんなに意欲があっても、一人で書類作成や面接対策をこなすのはハードルが高いのが現実です。
大学の選定や対策の段階から、添削・アドバイスをもらえる人が身近にいるかどうかも、受験成功の重要なポイントです。
具体的には:
- 不登校や通信制の生徒に対応した塾や支援団体
- 総合型選抜の実績がある指導者
- 面接・小論文・プレゼンなどを個別に指導してくれる環境
**自分の視点では気づかなかった「強み」や「改善点」**をプロの目でフィードバックしてもらうことが、合格可能性を大きく高めてくれます。
大学選びは、「自分を活かせる場所」を探すこと
総合型選抜は、単なる合格ルートではなく、「自分らしさ」を大学に伝えるための機会です。
大学を選ぶときは偏差値だけでなく、
- どんな経験を評価してくれるか
- 自分の目指す未来に近づけるか
- 準備しやすいスケジュールか
といった点から、自分が“力を発揮できる場所”かどうかを大切にして選んでみてください。
合格を近づける!総合型選抜の「戦略的な情報収集」術
総合型選抜(旧AO入試)は、筆記試験中心の一般入試とは異なり、学力以外の「人物面」や「これまでの経験・意欲」が重視される入試です。
そのぶん、対策の方向性に迷いやすく、「何を、どう準備すればよいのか」が見えづらいという不安を抱える方も少なくありません。
特に、通信制高校に在籍していたり、不登校の経験があったりする場合、学校から得られる情報が限られることもあります。
だからこそ重要になるのが、**“戦略的な情報収集”**です。
この章では、「何を」「どこから」「どのように」調べ、どんなふうに対策に活かしていけばいいか、具体的なステップをご紹介します。
1. 「知っている大学」ではなく「自分に合う大学」を探す
進路を考えるうえで、「名前を聞いたことがある大学」や「有名な大学」から選びがちですが、総合型選抜で本当に大切なのは、自分の価値観や経験に合った大学かどうかです。
確認すべきポイント:
- 大学・学部の教育理念やポリシー
- 不登校経験や多様な背景をもつ学生への理解があるか
- 活動実績や自己表現を重視する選抜スタイルかどうか
志望理由書や面接で問われるのは「なぜその大学なのか」。それに答えるには、表面的な知識ではなく、自分との“接点”をきちんと見つける必要があります。
2. 効率的に情報を集める4つのルート
(1)大学の公式サイト
各大学の入試情報ページには、選抜方式の詳細・提出書類・日程・求める人物像など、重要な情報が網羅されています。
6〜8月には募集要項が更新されるため、定期的にチェックしておきましょう。
また、学部紹介や授業内容、教授の研究テーマなどから、自分の興味との共通点を見つけることも可能です。
(2)オープンキャンパス・個別相談会(オンライン含む)
「直接キャンパスに行けない…」という方でも、最近はオンライン型の個別相談や説明会が増えており、自宅からでも大学の雰囲気を知ることができます。
- 入試担当者と話せるオンライン個別相談
- 在学生が語る体験談つきイベント
- 志望理由作成に役立つ大学の魅力紹介
参加するだけで、志望理由に深みが出ます。
(3)進学情報メディア・パンフレット
信頼できる進路情報サイト(マナビジョン、スタディサプリ進路など)では、総合型選抜に対応した大学を条件検索できます。
大学パンフレットもネットで請求でき、実際のキャンパス写真や授業風景も掲載されているため、イメージが具体化しやすくなります。
3. 一人で悩む前に、「受験のプロ」に相談するという選択肢
情報収集や対策を一人で進めようとすると、どうしても“視野の限界”が出てしまいます。
たとえば:
- 志望理由書が「ありがちな内容」になっている
- 実は条件に合っていない大学を目指してしまっている
- 自分の魅力を過小評価している
こうした“見えないズレ”に早めに気づけるのが、塾や受験支援を行うプロの存在です。
専門家に相談するメリット:
- 書類の添削や面接練習を通じて、自分では気づかなかった視点を得られる
- 志望校に合わせた具体的なアドバイスをもらえる
- 不登校・通信制出身者向けの実績あるサポートも存在する
総合型選抜は“あなた自身”が試される選抜です。そのぶん、客観的なフィードバックがあると、戦略も自信もぐっと深まります。
情報収集の質が、そのまま合格率に直結する
総合型選抜は、“調べた者勝ち”とも言える入試です。
大学とのマッチ度、書類の具体性、面接での説得力——
これらはすべて、事前の情報収集の量と質で決まる部分でもあります。
けれど、すべてを一人で調べて、考えて、整えるのはとても大変なことです。
だからこそ、信頼できる人やサービスを頼るというのは、決して甘えではなく、「戦略的な選択」と言えるでしょう。
出願までの道のりと、失敗しないための準備スケジュール
総合型選抜は、一般入試よりも出願・準備のスタートが早いのが特徴です。
「気づいたときには出願が終わっていた…」という声も珍しくありません。
この章では、不登校・通信制高校生でも無理なく準備できるよう、スケジュールの立て方と具体的な準備リストをお伝えします。
◆ 総合型選抜の主なスケジュール(例:2025年度入試)
時期 | やること |
---|---|
4月〜6月 | 自己分析・大学情報の収集、志望校の絞り込み |
6月〜8月 | 志望理由書の下書き・添削、活動記録の整理、小論文・面接対策スタート |
9月 | 出願書類の提出(大学によって8月〜) |
10月〜11月 | 面接・小論文・プレゼンなどの本番選考 |
11月下旬〜12月 | 合格発表、入学手続き |
通信制高校生の場合、学校の授業ペースが個別なので、このスケジュールを基に「自分のカレンダー」に落とし込むことが重要です。
◆ 志望校がまだ決まっていないなら、今すぐやるべきこと
総合型選抜では、大学ごとに選考方法が大きく異なります。
そのため、「とりあえず受けられそうな大学を探す」では間に合いません。
✅ 今すぐ始められること:
- 「やりたいこと・興味ある分野」から大学を探す
- 総合型選抜に力を入れている大学をリストアップする
- 各大学の過去の出願書類・課題をチェックする
🔍 参考サイト:
- 各大学の公式入試ページ
- 総合型選抜に特化したナビサイト(例:マイナビ進学、パスナビなど)
- 合格体験記をまとめたブログや動画
◆ 志望理由書・小論文は「複数回の添削」が前提
一度書いたら終わり、ではありません。添削と書き直しを3〜4回重ねることで、質が上がります。
📌 理想的な進め方:
- 6月中:初稿を書く(自己分析メモから)
- 7月:添削①+修正→②を提出
- 8月上旬:最終稿+形式チェック
- 8月下旬:出願準備スタート!
📎 注意点:
- 学校に提出する場合は、教員の確認にも時間がかかる
- 「ギリギリ仕上げ」はミスが起きやすく、内容も薄くなりがち
◆ 面接・小論文は、8月以降の集中対策でOK
志望理由書が仕上がってからでも、面接・小論文は十分間に合います。
ただし、初めて経験する場合は「慣れ」が必要なので、少しずつトレーニングを入れましょう。
🎤 面接対策のコツ:
- 月2〜3回、模擬面接を誰かと実施
- 話す内容を「声に出す」練習を意識
- スマホ録音などで自分の話し方をチェックするのも◎
✍ 小論文対策のコツ:
- 書くより「構成メモ」を先に練習(例:序論→本論→結論)
- 時事テーマや教育・地域などの出題傾向を掴む
- 添削者がいる場合、最低でも月2〜3本は提出
◆ 直前に焦らないための「早めチェックリスト」
出願直前になって慌てないよう、7月中には以下を確認しましょう。
✅ 募集要項は最新のものを読んだか
✅ 出願書類にミスはないか(記入漏れ・誤字)
✅ 高校から提出する書類(調査書・推薦書など)の依頼済みか
✅ 面接や試験日と他の大学の重なりはないか
✅ 交通手段や宿泊の手配も必要か(遠方受験者向け)
◆「準備の質」が合否の9割を決める
総合型選抜では、偏差値や模試の点数よりもどれだけ誠実に・丁寧に準備をしてきたかが合否に直結します。
- 自分の過去をどう捉えているか
- その大学で何を学び、将来どう生かすか
- 志望理由や面接の内容が“自分の言葉”で伝わっているか
これらは、一朝一夕では整いません。
だからこそ、今このタイミングからの準備が、あなたの合格をぐっと引き寄せてくれるはずです。
まとめ|「あなたの進学」は、あなたの形で叶えられる
不登校や通信制高校という選択は、けっして“遠回り”でも“ハンデ”でもありません。むしろ、そこにはあなたにしかない経験と視点が詰まっています。
今回の記事では、そんな背景を持つ中高生の皆さんが、自分に合った方法で大学進学を目指せる「総合型選抜(旧AO入試)」という道について、さまざまな角度から紹介してきました。
- 総合型選抜は、学力試験だけでは測れない「人柄」や「思い」を評価してくれる仕組み
- 不登校や通信制でも、志望理由やこれまでの経験を丁寧に言葉にすることで強みになる
- 書類・面接・小論文の対策は、プロの力を借りながらしっかり準備することが大切
- 大学の偏差値や名前だけでなく、「自分が安心して学べる環境かどうか」を重視して選ぶ視点
- 支援してくれる学校・塾・家族・外部機関の存在を、うまく活用することも成功へのカギ
そして何より大切なのは、**「今、自分がどこにいるか」ではなく、「これからどう進んでいきたいか」**を大切にすることです。
大学受験の世界には、さまざまなルートがあります。今までの過ごし方や学び方が少し人と違っていても、それを活かせる入試制度があり、それを歓迎する大学があります。
「どこから始めたか」よりも、「どこを目指すか」が大切です。
たとえ道の途中に迷いや寄り道があったとしても、それはあなた自身の歩んできた大切な道のりです。
今この瞬間からでも、進学に向けた準備は始められます。
昨日までの自分にとらわれず、これからの自分に期待してみてください。
進路を選ぶことは、自分を信じること。
その積み重ねが、確かな未来をつくっていきます。
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